10/10の大引け直後に公明党が連立離脱をするというニュースと、10/11 0時頃にアメリカのトランプ大統領が中国からの輸入品に100%の追加関税をかける方針を表明したという2つの大きなニュースが飛び込んできました。
この2つのニュースを受けて、日経平均先物は大幅下落しています。
公明党の連立離脱
これまで市場では、高市トレードにより日経平均は総裁選前から2,800円超上昇していましたが、公明党の連立離脱というサプライズが伝わると、日経平均先物は急落しました。
(日経平均先物・5分足チャート)

ニュースが伝わると47,400円ほどまで急落し、直後には半分ほど戻す動きが見られましたが、0:00頃には47,500円程になりました。
この時点では、10/10の日経平均終値48,088.80円と比較して600円程の下げで、大きく上げていた分この程度は仕方ないと捉え、◯◯ショックというような深刻なものになるとは考えておらず、どちらかというと楽観的に構えていました。
トランプ砲で米中関税再燃
ところが、日が変わると今度はアメリカのトランプ大統領が中国からの輸入品に100%の追加関税をかける方針を自身のソーシャルメディアで表明しました。これを受けて米国市場は急落し、日経平均先物も下げ幅を拡大させていきます。
(日経平均先物・5分足)

追加関税の方針を表明した直後と、先物のナイトセッション終了間際に急落し、45,180円で取引を終えています。
10/10の日経平均終値48,088.80円と比較して2,900円超のまさに◯◯ショック級の強烈な下げとなりました。
先物ではありますが、仮に日経平均も同程度下がるとすると、下落幅としては史上3番目になります。
10/6で開けた窓埋めのラインを超える下落で、今後の両国の動きによっては更にもう一段、二段の下げも有りうると考えています。
ダウは1.9%、ナスダックは3.56%、S&P500は2.71%と大きく下げていますが、それ以上にフィラデルフィア半導体株指数は6.32%の下落となっています。
(フィラデルフィア半導体株指数・日足)

仮に日本の半導体関連も同じだけ下がった場合、ETFのグローバルX 半導体関連-日本株式(2644)では2,202円となり、9月下旬の水準に戻ります。
(グローバルX 半導体関連-日本株式・日足)

今後の動きについて
トランプ大統領の関税政策といえば、TACO取引(Trump Always Chickens Out(トランプはいつもチキンだ=びびる))がまず思い浮かぶと思います。今回の中国への追加関税100%も結局はTACOると思っていますが、それがいつになるのかは分かりません。トランプ大統領の性格からして、すぐに拳を下ろすとは考えづらく、ある程度報復合戦を繰り広げてからの撤回という展開も考えられます。
先ほど◯◯ショック級の下げと表現しましたが、今年4月のトランプ関税ショック、昨年8月の日銀植田ショックではどちらも大きなリバウンドがあり、トランプショック後では史上2番目、植田ショック後では史上最大の上げ幅となりました。今回もリバウンドに期待して買いを狙っている方がいらっしゃると思います。
確かに下げ幅でいえば今回も◯◯ショック級となりそうですが、この下げだけでは高市トレードの巻き戻し+α程度でしかなく、安易なリバウンド狙いは危険だと考えています。大きなリバウンドにはまだ悲鳴が足りないと言いますか、もう一段、二段と強烈な下げが欲しいところです。
10/13の米国市場によっては下げ幅の縮小が期待されるかもしれませんが、10/14は私のスイングトレードのポジションは大きな損切りを余儀なくされると思います。当面の間は米中両国の一挙手一投足に振り回される神経質な展開が予想されますので、損を取り戻そうと焦ることなく、ポジションサイズを通常よりも大幅に保守的に設定してトレードに臨んでいきたいと思います。
(この記事は10/12に下書きしていたのですが、10/13朝に早くも動きがあったようです)
ブルームバーグの報道によれば、トランプ大統領は「全てうまくいく、中国を傷つけたいわけではない」、バンス副大統領は「理性のある道を選ぶべきだ」と中国側に呼びかけ、トランプ政権が中国との取引にオープンな姿勢を示しており、市場へ安心感を与える狙いもあるとみられています。
これを受けてか、日経平均先物は10/13 14:30時点で46,600円ほどまで戻しており、10/10の日経平均終値48,088.80円と比較して-1,500円程度にまで下げ幅が縮小されています。
(日経平均先物・5分足)

IPOへの影響
休み明けの10/15にはライオン事務器、10/16には注目のテクセンドフォトマスク、10/17にはユーソナーと3銘柄が上場します。
昨年の植田ショック真っ只中に上場した銘柄はありませんでしたが、今年4月のトランプショックでは4/7にIACEトラベル(343A 東S)が上場し、公開価格1,000円に対して初値はシンジケートカバーすら突き抜ける864円と大幅な公募割れとなりました。
IACEトラベルは仮条件時点での他社の初値予想が1,100円~1,200円で公募割れはないと見られていましたが、4/7は日経平均が前日比-2,644円となっており、流石にこの相場では「IPOは別腹」となりませんでした。
ライオン事務器(423A)10/15上場
ライオン事務器は時間がなく10/14の大幅下落を受けての上場となり、影響は避けられないと考えています。幸運なことにみずほ証券から1,000株当選していましたが、思わぬ展開になってしまいました。
しかしながら、仮に公募割れとなったとしても単価が低く、1,000株であっても損失は限定的とみています。BBスタンスの繰り返しとなりますが、PBRは解散価値を大幅に下回っており、東証からのPBR改善要請がありますので、公募割れの場合には将来の株価対策に期待して、辛抱強く長期保有となりそうです。
テクセンドフォトマスク(429A)10/16上場
テクセンドフォトマスクはもう1日遅い10/16上場ですが、前述の通り、米国市場では半導体銘柄がダウ・ナスダック・S&Pの3大指標の下落率を大幅に超える下落となっており、こちらも影響は避けられないでしょう。以前より懸念していたことが最悪のタイミングで現実となっていまいました。
ただし、公開価格3,000円は9/4に最初の有価証券届出書を提出した際のPER比較では9/4終値での他社PER(HOYA、大日本印刷、エスケーエレクトロニクス、日本フィルコン)4社のちょうど中央に位置しており、8月末終値でのプライム市場業種別加重PERでは総合・電気機器・精密機器のいずれのPERよりも低く割安な水準にあります。
ちなみに、日経平均の8月末(8/29)終値は42,718.47円で10/10終値より5,370円(11.17%)も低く、ETFのグローバルX 半導体関連-日本株式(2644)に至っては8月末(8/29)終値は1,895円で10/10終値より456円(19.40%)も低く、その時点での比較でも割安と考えていましたので、楽観的に構えています。
とはいえ、日本株が大幅安となっている局面では流石に初値も抑えられ、半導体銘柄の動向によってはまさかの公募割れということもあるかもしれません。もしも公募割れ、あるいは微増程度の初値となった場合には、公募株数が満足できる株数ではありませんので、買い増しを検討しています。
もちろん、明日10/14に抽選を控えている三菱UFJ eスマート証券の購入申込もそのままで当選を狙っていきます。
ユーソナー(431A)10/17上場
上場が10/17と少し時間がありますので、状況次第では安心して上場を迎えられるかもしれませんが、10/17頃に全面高という展開になりますと、資金がプライムへ集中してしまいますので、相場全体の流れに対して物足りない初値となってしまうかもしれません。
反対に、米中の報復合戦が展開されてしまいますと、全体的にもう一段、二段の下げが考えられますので、厳しい結果になるかもしれません。
最後に
繰り返しとなりますが、今夜の米国市場によっては明日は思ったよりも下がらないかもしれませんが、当面の間は神経質な展開が考えられます。
米中両国の動きに一喜一憂する日々が続きそうですが、なんとかこの局面を切り抜けてトレードに臨みたいところです。
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